天然乾燥とは外に野ざらし状態で乾燥させる方法です。AD(Air Dry)と呼ばれています。
天然乾燥は化石燃料を一切使用しないので、CO2の排出がなく、環境にやさしい乾燥方法です。また、木本来の色、艶、香りが残っており、木の美しさを保つことができます。
一方で、求められる含水率になるまで4か月以上、長いものでは1年程度乾燥させることもあります。注文を受けてから乾かして製材する、ではとても間に合わないので、当社では常時約1,500㎥の原板(製品にする前の板)を乾燥させており注文を頂いた時には、乾燥した原板で加工できるようにしています。
これに対し、人工乾燥という方法があります。KD(Kiln Dry)と呼ばれています。現在ではこちらの方が主流です。この方法は天然乾燥材よりもっと乾燥させるために乾燥室に入れて強制乾燥させる方法です。蒸気式乾燥や高周波乾燥など種類はたくさんありますが、それぞれ一長一短です。ちなみに当社にも蒸気式乾燥機がありますが、KDの注文があるときのみ稼働し、通常ではほとんど使用しておりません。
メリットとして、原板の乾燥までにかかる日数が短いことが挙げられます。天然乾燥では4か月〜1年程度かかるのに対し、人工乾燥では5日〜2週間程度でできます。また、厚い板や角材のような構造材の場合は天然乾燥では、求められる含水率まで下げることは不可能です。しかし、人工乾燥ではこのような材でも含水率を下げることが可能です。
一方、デメリットとして挙げられるのは内部割れです。表面はきれいでも木の内側が割れていたりします。また、色、艶、香りも天然乾燥に比べると劣るといわれています。 |
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天然乾燥材はコストと自然環境にやさしい生産方法です
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天然乾燥 |
人工乾燥 |
メ
リ
ッ
ト |
・色、艶、香りがよい
・自然環境にやさしい
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・乾燥が短時間で可能
・低い含水率が可能 |
デ
メ
リ
ッ
ト |
・乾燥に長時間かかる
・人工乾燥に含水率が劣る
・表面割れが起こりやすい
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・燃料にコストがかかる
・内部割れが起こりやすい
・焦げたような色になる
場合がある |
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